公益財団法人札幌国際プラザ多文化交流部 - Sapporo International Communication Plaza Foundation International Community Bureau -

多文化共生

担い手の育成

医療英語・通訳セミナー

 札幌市で、外国人が言葉の壁を越えて安心して医療を受けることができるように、医療の分野において専門的な知識や通訳技術を習得した通訳者や、外国語でのコミュニケーションが可能な医療人材など、担い手の育成・底上げをはかる。  
 平成30年度は受講対象者、内容別に、春期(6月3日(日)、秋期(11月4日(日)、18日(日))の年2回、全6講座を開催。

 講座詳細はセミナー・イベント情報でご確認ください。

 

『医療通訳ボランティア勉強会』 

 外国人市民が、札幌で安心して自立した生活を送るためには、医療面でのサポートが不可欠です。札幌国際プラザでは、平成28年度から市内の医療通訳ボランティアグループと共催し、外国人市民が安心して医療機関を受診できるよう、専門知識を持った医療通訳者を育成するための実践的な勉強会を開催しています。
 共催:札幌英語医療通訳グループSEMI、札幌中国語医療通訳グループ

【勉強会について(英語)】
 金曜日 午後1時15分から4時、札幌市内中心部にて
 年会費2,000円 勉強会参加費1回500円
 ※ 毎月2回はSEMIと国際プラザの共催、それ以外の週はSEMIの単独開催。

 英語の能力向上(listening, reading, speaking)、通訳スキル向上のためのロールプレイ、医療英語の習得、医学知識の習得、守秘義務の徹底など通訳の心得・役割について学ぶ。


【参加条件】
 ・外国人市民の医療に興味・理解があり、自分が力になりたいと思っている方
 ・札幌市在住で、平日昼間に実際に医療通訳ボランティアとして活動できる方
 ・勉強会に毎回参加可能な方
 ・参加の目安となる語学力:英検1級/TOEIC900点もしくは同等以上
 ※高い語学力、コミュニケーション能力が要求されます。
 ※医療通訳者として活動することを前提にしていますので、個人の語学力上昇・知識習得だけを目的にした参加は想定していません。

    • 参加条件に満たない場合は、札幌国際プラザが年1~2回開催する「医療英語・通訳セミナー」にご参加ください。

    【問い合わせ】札幌国際プラザ 多文化交流部 
    tabunka@plaza-sapporo.or.jp 電話 011-211-2105 (月~金 9:00-17:45)  

     

    【平成30年度勉強会の内容】(平成30年7月2日現在)

    月 日

    内 容

    参考資料

    4月20日(金)

    B群溶血性連鎖球菌(Group B streptococcus GBS)は新生児の髄膜炎や敗血症に関与する主な起因菌の1つである。妊婦さんへの検査の時期や処置について学習した。

     

    4月27日(金)

    子宮頸がんについて。子宮頸がんワクチン接種に関するイギリスの状況を中心に、子宮頸がんの発生機序やがんと診断された場合の治療法について学習した。

    子宮頸がんについて

    5月11日(金)

    HIV/AIDSについて、原因ウイルス、感染経路そして予防法などについて学習した。無料でHIV検査・HIV/AIDSに関する相談を受けることができる「さーくるさっぽろ」について講話をしていただいた。

     

    5月18日(金)

    性感染症(STI/STD)の1つである梅毒について。感染リスク、予防措置、治療方法そして妊婦さんへの影響について学習した。

     

    6月8日(金)

    妊娠初期に妊婦さんが経験する可能性のある主な症状について学習し、妊娠初期の検査や手続きと合わせて通訳練習を行った。

     

    6月22日(金)

    国内では、1985年からHBs抗原陽性妊婦から生まれた乳児へのB型肝炎ワクチン接種(抗HBs免疫人グロブリンとの併用)が行われ、母子感染によるHBVキャリア率は低下している。母子感染防止の観点でワクチン接種を行う selective vaccinationについて学習した。

     

     

    ※参考:平成29年度実施内容

                                                                                                                                                   

    月 日

    内 容

    参考資料

    4月21日(金)

    出生時や乳児健診で指摘される可能性のある陰嚢水腫、停留精巣、尿道下裂の病態、治療時期などについての学習。陰嚢水腫の検査や医師の診察を想定した通訳練習。

    Urology and Dentistry

    4月28日(金)

    乳児健診で指摘されることのある上唇小帯付着異常や舌下小体短縮、そして外科的処置である小体切除術についての学習。乳幼児期の歯の手入れや歯並びについて歯科医師と相談する場面を想定した通訳練習。

     

    5月12日(金)

    寄生性原生生物であるトキソプラズマの感染について、特に妊娠中の感染と胎児への影響、トキソプラズマに関する検査の概要、感染防止のために知っておくべきことを学習。

     

    5月19日(金)

    出産後に行う新生児マススクリーニングについて、札幌市が提供している英語パンフレットの読み合わせをし、検査について確認。母親学級、退院時、新生児家庭訪問で説明されることの多い赤ちゃんの「泣き」やそれに対応するためのスキンシップにつて通訳練習。

     

    6月2日(金)

    出生前診断を検討されているご家族に行われる遺伝カウンセリングにおいて説明される遺伝子の基本情報、検査の種類、検査によって診断できる遺伝子疾患、統計など特有の用語について学習し、理解を深めた。

     

    6月9日(金)

    日本と比較して諸外国ではRhマイナスの妊婦さんが珍しくない地域もあることから、Rh不適合妊娠についての基礎知識、機序、Rh不適合妊娠が疑われる場合の処置について学習した。

     

    7月14日(金)

    誘発分娩が必要な場合、処置の種類、リスクについて学習し、過去の通訳報告に基づき、妊娠30週から出産直前までの後期妊婦健診を設定した通訳練習を行った。

     

    7月21日(金)

    帝王切開が必要な状態や疾患、麻酔の種類、処置やリスクなどを学習し、予定帝王切開を受ける妊婦さんへの術前説明を想定した通訳練習を行った。

    C-section

    8月4日(金)

    心臓の構造、体循環、肺循環などを学習し、先天性心疾患から肺高血圧症を発症した患者さんを想定した通訳練習を行った。

    Cardiovascular System

    8月18日(金)

    健診で不整脈指摘のため循環器クリニックを診察した患者さんを設定した通訳練習。

    ロールプレイ『不整脈指摘』

    9月1日(金)

    心臓移植が治療の選択枝になりうる心筋症の主な症状について学習した。リスニングではイギリス英語のビデオを使用し聞き取り練習を行った。

     

    9月15日(金)

    高血圧症の概要、高血圧による全身への影響、生活面で気を付けることなどを学習し、通訳練習を行った。

     

    10月6日(金)

    不妊治療の初期に医師から計測を勧められる基礎体温の測定方法や、基礎体温と月経周期の関係性、基礎体温から分かること、無排卵性周期と破綻出血について学習した。

     

    10月27日(金)

    不妊検査の概要を学習し、通訳として関わったケースから医師の説明文を通訳練習した。

     

    11月10日(金)

    妊娠、不妊治療に関する総合的な学習を行い、通訳報告や、クリニックの説明を参照し、医師から説明される用語の確認と理解を深めた。

     

    11月24日(金)

    高度生殖補助医療である体外受精、顕微授精の流れや用語について学習し、医師の説明を想定した通訳練習を行った。

     

    12月1日(金)

    成人の耳鼻科疾患で通訳依頼が比較的多い、副鼻腔炎について学習し、それに伴う外科的手術の説明を通訳練習した。

    鼻に関する用語集

    12月15日(金)

    喘息の症状、検査、薬剤、そして生活で気を付けることを学習し、過去の通訳報告などをもとに通訳練習を行った。

     

    1月12日(金)

    日本の結核罹患率は欧米先進国に比べ多く、世界の中では「中蔓延国」とされている。医療通訳者は結核高罹患国のクライアントとの接触の可能性があり、感染リスクはさらに上昇する。結核についてしっかりと理解し、どのような対策が取れるかを学習した。

     

    1月19日(金)

    医師から患者に説明する内容を想定し、がんというものは何か、から抗がん剤治療について通訳練習を行った。

     

    2月2日(金)

    流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)は合併症として無菌性髄膜炎、難聴、思春期以降では、男性で睾丸炎 、女性で卵巣炎を合併すると言われており、頻度は少ないが、永続的な障害となる可能性がある。耳下腺を含む唾液腺の構造から、感染時の症状などを学習した。通訳練習では予防接種後の発熱を心配する親御さんへの医師の説明を想定した通訳練習を行った。

     

    2月9日(金)

    免疫のない女性が妊娠初期に風疹に罹患すると、風疹ウイルスが胎児に感染して、出生児に先天性風疹症候群 (CRS)を引き起こすことがある。CRSの主な症状、妊娠前に風疹の抗体価を確認することや、ワクチン接種の重要性を再確認した。

    Metabolic disease単語、乳幼児皮膚疾患語彙

    3月2日(金)

    札幌市では生後4~6日目のすべての赤ちゃんを対象にした新生児マススクリーニングを行っている。先天性代謝異常の概要と、26の対象疾患の1つであるフェニルケトン尿症について学習した。

     

    3月16日(金)

    新生児家庭訪問や乳児検診において、赤ちゃんの皮膚のトラブルはお母さんから相談されることの多い心配事の1つである。用語を確認し、医師の説明を想定した通訳練習を行った。

     

     

     ※参考:平成28年度実施内容

    月 日

    内 容

    参考資料

    5月6日(金)

    ロールプレイ「初期の妊婦健診」など

     

    5月13日(金)

    出産間際の兆候や受胎から妊娠初期の体の変化について

     

    5月20日(金)

    ハイリスク妊娠の総論、妊娠高血圧症候群について

     

    5月27日(金)

    ロールプレイ「子宮頸管縫縮術の実例」など

    Maternal and infant nutrition

    6月10日(金)

    妊娠高血圧腎症の概要、それに伴う早期出産、早産児の特徴や処置について

     

    6月17日(金)

    「自閉症スペクトラム障がい」について

     

    7月1日(金)

    ロールプレイ「ADHD診断」など

     

    7月22日(金)

    札幌市児童相談所による「札幌市出前講座」
    発達に心配のある子どもの療育支援~さっぽ・こども広場の取り組みについて など

     

    8月19日(金)

    北海道科学大学診療放射線学科の施設見学

     

    8月26日(金)

    講義「異文化コミュニケーションの基本」

     

    9月16日(金)

    ロールプレイ「橋本病についての基本的説明」

    ” The hypothalamic–pituitary–gonadal axis (HPG axis) , PCOS単語・用語

    9月23日(金)

    ロールプレイ「視床下部性ホルモン分泌低下症の検査」など

     

    10月7日(金)

    乳児期に接種するワクチンの種類と接種時期、発達に関する乳児健診での質問など

     

    10月15日(金)

    食物アレルギー診療について

     

    11月11日(金)

    インフルエンザワクチン接種についてなど

     

    11月25日(金)

    喘息の吸入器の使用説明や、主にスパイロメーターを使用した呼吸器検査の概要

     

    12月2日(金)

    妊娠期間中の腰痛の発生機序、腰痛を防ぐ動き、腰痛体操について確認。
    参考資料:
    札幌市保健福祉局保健所健康企画課『わが家に赤ちゃんがやってくる』札幌市、2016年、21頁 妊婦体操の表現
    本年度札幌国際プラザが作成した英語版“A Baby is on the Way!”

    ロールプレイ『腰痛』

    12月9日(金)

    骨折(骨折の種類、検査、治療など)について等

     

    1月6日(金)

    妊娠初期にするべきこと、妊娠中の食事や嗜好品の注意事項の確認。

     

    1月13日(金)

    妊娠後期の身体の変化、胎児の位置、前駆陣痛と実際の陣痛との違い。

     

    2月3日(金)

    産婦人科で行う「内診」女性の骨盤内臓器の構造、検査や疾患について学習。

     

    2月10日(金)

    卵巣の構造、卵子の成熟の過程や名称。子宮内膜症の疾患

     

    3月3日(金)

    急速遂娩、特に帝王切開時の麻酔について

     

    3月31日(金)

    新生児家庭訪問を想定した通訳練習。

    新生児家庭訪問を想定した会話・用語集

     

     

     

    【SEMIのご紹介】
    ・SEMIは2009年4月に設立され、2016年7月現在24名の会員がいます。
    ・主な活動は、患者さんからの依頼による病院などにおける医療通訳の実施です。病院だけでなく、区の保健センターでの乳児健診や予防接種・保健センターの新生児家庭訪問もお手伝いしています。設立時、年間50数件だった通訳依頼は年々増え、1年で500回を超える通訳をおこなってきています。(2014年度は536回、2015年度は599回)
    ・クライアントはアフリカ・アジア・中東の方が多く、英語を母国語としていない患者さんも多いので、共通語としての英語を使っての通訳となっています。クライアントは留学生が多いですが、SEMIのホームページができてからは、札幌に長く住んでいる外国人、英語教師など仕事を持っている外国人からの依頼も増えてきました。
    ・また、海外からの問い合わせも増え、札幌に来る前に情報を収集したくてメールを送ってくる方もいます。(例えば、妊娠8か月の妻を連れていくのだが、今から出産できる病院を探せるだろうか…などです。)
    ・SEMIの運営はボランティアで行っています。クライアントには通訳費用を課していません。当初は通訳に行く際の交通費や勉強会の会場費なども全て自分たちの年会費と勉強会参加費から出していましたが、SEMIの活動が認められるようになり、少しずつサポートを得られるようになってきています。クライアントからSEMIへの寄付をいただくこともあります。
    2013年度に初めて、北海道大学より留学生とその家族の通訳の際の交通費をいただくようになりました。また、2014年度から今年度まで公益財団法人中島記念国際交流財団助成による日本学生支援機構 留学生地域交流事業に採択され、それぞれの年度において、5月から1月まで通訳の際の交通費等の支援を受けております。
    2014年10月からは、北海道大学在籍の留学生および外国人研究者とその家族のための活動に対して、SEMI通訳業務に対する謝礼をいただいております。

    1. SEMIの活動は 札幌に住んでいる外国人のためのものであり、困っている外国人を助けるために始めたボランティア活動です。現在いただいている謝金や助成金も、次年度も継続していただける保証はありません。将来、助成金がもらえない場合は、交通費や、勉強会の場所代など自分たちで捻出していかなければなりません。SEMIは通訳派遣をする営利団体ではありませんので、この点に関してもご理解をお願いいたします。

     

    SEMI 代表 寺尾 恵

    SEMI homepage URL:semi-sapporo.com